不動産業に携わっていると、上下水道の設備についてご質問をいただくことが多くあります。今回は、その中でも「浄化槽」について、物件を購入・賃貸されるお客様が気を付けていただきたいポイントをまとめてみました。

■浄化槽とは?
浄化槽には大きく分けて「単独浄化槽」と「合併浄化槽」の2種類があります。物件を購入・借りる際は、この違いを知っておくことがとても大切です。
◎単独浄化槽
・処理できるのはトイレの排水のみ
・キッチンやお風呂、洗面所などの生活排水はそのまま側溝や川へ流れる
・昔の住宅(特に昭和~平成初期のもの)によく設置されている
・現在は新設不可(法律で設置が禁止されています)
◎合併浄化槽
・トイレの汚水だけでなく、キッチン・風呂・洗面所などの生活排水もまとめて処理する浄化槽のこと
・「単独浄化槽」はトイレの排水のみを処理するのに対し、「合併浄化槽」は生活排水すべてを処理する
■浄化槽のある家に住む際の注意点
①定期的な保守点検・清掃が必要
浄化槽は放っておいても勝手にきれいな水が流れる・・・というものではありません。年に1~2回の清掃(汲み取り)や、4カ月に1回程度の保守点検が法律で義務付けられています。これを怠ると、悪臭や故障の原因になるばかりか、周囲の環境にも影響を与えかねません。
②維持管理費がかかる
公共下水道の場合は、使用料として上下水道代に含まれますが、浄化槽の場合は個人負担で点検・清掃を依頼する必要があります。年額で1~2万円程度が目安ですが、汚泥の量によって変動します。地元の清掃業者と契約する必要があります。
③異物の流入に注意
台所からの油、洗剤の使い過ぎ、生ごみ、ティッシュやタオル、不織布などの異物は、浄化槽の機能を大きく低下させます。特に、最近では「流せる○○」と書かれた製品が多いですが、浄化槽にとっては詰まりの原因になることもあるので注意が必要です。
■売買・賃貸時のチェックポイント
・浄化槽がきちんと登録されているか(登録がないと売買時にトラブルになることも)
・点検記録や清掃記録が定期的に残されているか
・法的な「使用開始届」「休止届」が提出されているか
購入や入居前に、これらの記録を確認しておくと安心です。不明な場合は不動産業者や自治体に確認しましょう。
■まとめ
浄化槽の家は、下水道に比べて管理の手間がかかる分、地域によっては上下水道代が抑えられるメリットもあります。ただし、きちんとした管理と日頃の注意が欠かせません。不動産を探す際には、「浄化槽の家はちょっと不安・・・」という方もいらっしゃいますが、正しい知識を持っていれば決して難しいものではありません。
物件選びの際は、「上下水道か浄化槽か」も、ぜひチェック項目のひとつに入れてみてくださいね。


